~ 人類学者の徒然なる詩考と猛想 ~

ブログの輪廻転生 [Vol.1]

みなさんはじめまして。

また、「風の旅行社」の駐在日記を読んで頂いていたみなさんには、

大変ご無沙汰しております。

 

ラサの村上大輔です。

とはいっても、長年住んでいたラサの部屋はすでに引き払ってしまい、

今は東京に住みながら新しい生活を送っています。

 

アップ頻度が低いことでよく苦言をいただいていた(笑)<ラサは今日も快晴>!

以前から読んで頂いたみなさんには、大変ご心配おかけしました。

今秋「夜逃げ」のように(!?)「風の旅行社」からブログを突然撤退し、

そのまま忙しいのにかまけて、消滅したままでした。

申し訳ございませんでした。

 

(はじめての方もいらっしゃると思うので)

ブログを再開するにあたり、 簡単にブログの紹介をしたいと思います。

Daisuke Murakamiの<ラサは今日も快晴>は、過去10年近くに渡って、

私村上大輔がチベットのラサから発信してきたブログです。

チベット文化研究者として、旅行社の現地駐在員として、

チベットに関心のあるみなさんに対して、現地からナマの情報を発信してきました。話題の中心は目の前に広がるチベット世界だったのですが、

基本は、僕自身が見たまま聞いたまま感じたまま考えたままを

そのまま言葉にしてネット空間に直に流してきました。

日常生活のことから、最近妄想していることから、読んだ本から、

東京空間のことから、なんでも写真に撮っては

そのまま自分の思いついた考えなどを、ほとんど素のままアップしてきたのでした。

 

 

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(歴代ダライ・ラマの住んできたポタラ宮殿)

 

たまのアップにも関わらず非常に多くの方々に読んで頂き、刺戟的なコメントもたくさん頂き、本当に本当に有り難かったです。

これからも気まぐれに書きつけていきますので、みなさんも同じく気まぐれにお付き合いいただければとても嬉しいです。

どうぞ、よろしくおねがいいたします。

 

さて、

簡単に近況を書くと、

今年の4月以来、「ザ・郊外」とでも形容できそうな、

本当に郊外らしい郊外に住んでいます。東京の。

 

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(外国人観光客がたくさん訪れる「渋谷の交差点」)

 

20年近くイギリス、インド、チベットと放浪=遊学=研究してきた身には、

TOKYO=JAPANはいかにも刺激的な異文化空間で、

デジタル標高の地形地図などを片手に、最近はひとりでよく都心をあちこち歩いていました。

 

しかしながら、要領が悪いせいか、大学の非常勤講師の仕事が案外忙しく、

いまだ十分には東京を堪能できていないのがちょっと残念です。(>_<)

 

注意深い子供は、苺のショートケーキを食べるとき、本丸の苺を食べる瞬間をずらしながらゆっくり味わいます。そういうエピキュリアンな子供のように、少しずつずらしながら東京空間を楽しむのもいいのかもしれません(笑)?

 

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(「煽り系」のポスター広告溢れる山手線・中央線車内。東京では電車の中が最も「東京らしい」空間だと思う。)

 

さて、冒頭に

ブログの「夜逃げ」と書きましたが、明らかにこれでは語弊があるでしょう。

メタフォリカルに「突然死」と書くほうが体験的には正確かもしれません。

いや、しかし、これでは、もっと語弊がありそうなので(笑)ひとつ釈明すると、

「風の旅行社」の意志とは全く関係のないところから、

このブログの「消去」となりました。

(「風の旅行社」本体と僕との関係は、昔と同じく今も最良好です。そうでしょ?風のスタッフのみなさん!?笑)

 

まぁでも、やはり事実は、

ネット空間のなかでは、本ブログは一度「死んだ」のです。

 

しかしながら、<ラサは今日も快晴>俗世に対する執着がすこぶる強く(笑)、

なにはともあれ、無事"輪廻転生"することができました。

不自由となった古い殻を脱ぎ去って、新しい肉体を手に入れたと思えば、

おそらくは一番真実に近いと思います。

そして転生する魂が、

過去に生きた記憶やカルマを保持しつつ、現世に生きるのと同じよう、

本ブログもまた、過去に紡いできた記憶や精神モーメントを

継承していくことになります。つまり具体的には、チベットのことはこれからも話題の中心のひとつとなります。

 

チベットに関してこれからも学術論文などに書いていきますが、

一方でこのブログでも、チベットの文化やその文化の中に生きる人々について綴っていこうと思います。

 

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(大タンカ(仏画)を前に祈るチベット人巡礼者たち) 

 

実のところ、論文のカタチではなく、

ブログだからこそ書ける内容やメッセージがあるのです。

メッセージの内容というのは、自身を的確に伝えるためのフォルムを選ぶものです。

(我々人間にできるのはせいぜい、そこのあたりで調弦めいたことをするぐらいでしょう。)

 

転生の話にもどれば、

転生とは、過去を継承しつつも、新しい可能性に開いていくきっかけとなるものです。

本ブログもまた、チベット世界を継承しながら、別の領域へ広がっていくことだと思います。しかしながら、これを書いていて思うのですが、「自分でも分からない」のです、本ブログがチベット世界からどこに向かっていくのかが。でもそこが、ブログ=日記=フィールド・ノートというアモルファスな媒体のいいところなのかもしれません。

 

* 

 

今まで15年近くチベット文化とチベット人たちに関わってきて、見聞きしてきたことをたくさんフィールド・ノートに書き、たくさんの写真に撮ってきました。まずは、それを少しずつこのブログのなかで整理していきながら、みなさんとチベット世界を共有できたらと思います。(そして同時に、過去10年間のあいだアップしたブログ記事も出来るだけ早く、本ブログに復元していきます。)

 

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("東京の富士山"は、なぜこうも人を高揚させるのか・・。 真ん中あたりに中野サンプラザが見える。) 

 

「ブログの輪廻転生」―

あまり聞きなれない言葉ですが、

実は、ネット空間というのは、何兆・何百兆の「魂」で溢れかえっています。

それらの魂は消えては生まれ、生まれては消えていきます。

毎日毎日、点滅、明滅しています。

 

2014年の年末。

そういった無数の魂のひとつとして、ブログ<ラサは今日も快晴>は転生しました。

 

「今世」も どうぞよろしくおねがいいたします、笑。

 

Daisuke/Murakami

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