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~ 人類学者の徒然なる詩考と猛想 ~

部屋の中の面々 [LHASA・TIBET]

Daisuke Murakamiのチベット駐在日記

今住んでいる部屋にはたくさんの顔が描かれている。

チベット風の部屋のせいかもしれないが、それにしても多すぎる。

 

 

 

 

まずはお馴染み、トゥンボブンシ。

象、猿、うさぎ、小鳥が縦に連なって仲良くしている図で、

チベットの伝統的な絵画のひとつである。

 

 

「みんな仲良し」「年長者を大切に」などという意味であるが、

ようするに協力や友情、団結を表わす象徴としてチベットの家屋の

いろんな場所に描かれる。

 

そして次は、六長寿。

岩の長寿、水の長寿、樹の長寿、人の長寿、鳥の長寿、鹿の長寿を表わしている。

(それぞれすべて描かれているのが分かるでしょうか?)

なんとなく中国的な匂いがするが、ともかくもチベットで昔からある絵画である。

長寿の老人の顔が醜くてなんとも言えない。

狡(こす)い成金長者の典型顔ということであろう。

 

 

 

もっとひどいのはこれである。

この絵画の名前は知らぬが、これも長者を表わしていることは

ほぼ間違いないであろう。小僧たちが桃(?)を捧げている。

それにしても、長者のはずなのになんで不健康な身体の色をしているのか?

紫色とはどこか内臓の疾患があるのだろうか。

それとも体が半分腐っているのかもしれない。

顔がまたすごい。 

 

 

あまりに醜悪で気持ち悪いので、この部屋に引っ越してきたばかりの頃、

顔の周りに黒猫のステッカーを貼ってやった。

どういうわけか、ピンクの花びらが禿げ頭から生えているのも不気味だ。

 

 

このブログを書いている時、そして論文を書いている時、

いつもこの紫怪人が、僕のすぐ右側から妙なオーラを送り続けている。

文章が暴走していたら、こいつのせいにすることにしている。

 

そしてうってかわって、これからは聖獣。

 

これは部屋に昔から置かれてある骨董家具に描かれているもの。

コミカルなのか恐いのか分からない顔をしているところがいい。

これはおそらく、六道輪廻の図を後方から支えている、キールティムカだと思われる。

 

 

そしてこれは、龍のインスピレーションを得た、緑色の獅子だろう。

こいつもなかなかいい。

やはり昔の絵画はいい、好きだ。

 

 

お、こいつは豚顔に変化したキールティムカか?

どうしていつもキールティムカは、おどけ顔なのだろうか。

本当は輪廻を司るパワフルな魔物のはずなのに。

 

 

.

そして、こいつは・・!

 

 

.

どぉぉおおおおおおおおおおっーーーーー!!!

 

 

一週間前の嵐の明け方。

ミラレパの再臨かと思われるほどの、凄い嵐の朝であった。

 

その嵐が過ぎ去ると、聞き慣れないミャウ声が。

でた!とうとう生まれたのか!

母猫のうち一匹が、二匹産んだのだ。「ミラレパ嵐」の中で。

(出産は予期していたので)二匹か、まぁまぁだな、と思っていたところ、

どういうわけか、もう一匹にも陣痛が「感染」してしまった。

そして立て続けに四匹!!

 

胎盤付きで生まれてくる。

その胎盤をお互い母猫はシェアーして食べ合っている。

(猫は栄養源確保のため、自分の胎盤を食べるようだ。)

その横で仔猫が六匹、早速乳を奪い合う。

 

もう産まぬだろう、と思っていたら、

再びそれぞれポコポコ一匹・二匹ずつ生み続け、計九匹!

 

(さっき撮った)

 

ところでここ最近、あるチベットの宗教儀礼で黒と白のサイコロなどを使って

悪霊祓いをするものを研究しているのだが、二匹の出産の中盤あたりから、

白が多いか、黒が多いか、次はどっちだ!?みたいなノリになってきた。

 

チベット人は白を縁起のよいものとするので、

(悪霊祓いでも、白のサイコロが勝つとよい、とされる)、

とりあえずは白がやや多くてよかった。

 

というよりも、数か月後チベット人の貰い手を探すうえで

白ネコか黒ネコかは非常に重要な要素なのだ。

ただでさえ猫嫌いのチべタンが多い中、「白であること」は極めて大切な

チャーミングポイントとなるからだ。

 

それにしても、二匹同時出産の、計11匹の猫・・。

 

猫の避妊手術の成功確率が50%のラサでは、致し方ないのかもしれないが、

この夏のラサのミッションは「仔猫育て+貰い手探し」で

ほぼ決まってしまった、苦笑。

 

もちろん風の駐在業務も忘れていませんよ!

今夏、みなさんがラサに来られるのをお待ちしています!

猫餌も大歓迎です(笑)!

 

Daisuke/Murakami

 

「みかけはこわいが、とんだいい人だ」の浮世絵画家・歌川国芳は、

こういう仔猫の集まりを見ていたのか。

 

6月16日

(ラサの)天気: 雲時々雨

(ラサの)気温: 11~21度(晴れたら25度近くになり、暑いです。)

(ラサでの)服装: 昼間はシャツ、フリースなど。 夜は(厚手の)フリース、ジャンパーなど。 日焼け対策は必須。 空気は非常に乾燥しています。念のために、雨具は持ってきたほうがよいでしょう。また、風も強く吹くことも多いので、マスクなども役立ちます。

 

 

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