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~ 人類学者の徒然なる詩考と猛想 ~

風の「グループ」ツアーとは!?[LHASA・TIBET]

駐在日記

この一週間近く、少々熱気味である。

季節の変わり目のせいか、はたまた知恵熱か・・。

日本では治りやすい軽い発熱も、高地ではなかなかそうはいかない。

 

 

 

 

全治数日程度の風邪は、チベットではまず二倍の時間、一週間ぐらいは見ておいたほうがよい。

これは国籍問わず、多くのチベット在住の外国人が等しく思うところである。

高地であること、乾燥していることなどから、

免疫力が平地よりかなり衰えているのである。

 

今も熱があるが、寝てばかりもいられないので、日記を書きながら気張らそう。

 

さて、本題。

旅行社には「グループツアー」というものがあるが、

みなさんはどう想像されるであろうか。

会社のグループ、学生グループ、はたまた同好会のグループなど、なんらかの

既成集団のツアーというイメージを持たれている方も多いのではないだろうか。

しかし風のチベットのグループツアーに限っていえば、

そのような場合は非常に少ない。

ほとんどの場合、一人個人参加の寄り集まりがグループとなり、ツアーとなるのである。

 

これは意外に知られていないようで、みなさんの中にはおそるおそる

「グループ」ツアーに参加される方もいるようである。

 

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(今夏、ガンデン寺・セタン祭の後、みなで草原弁当を食べる)

 

<ひとりで個人参加>ということは、日本で背負ってきている社会的な役割

(課長であること、娘であること、など)からスパッと

抜け出て参加することで、まさに社会的には「裸の状態」で、

他の同じような状態のメンバーと密に触れ合うことになる。

簡単にいえば、素(す)のような状態、

子供/青年のような状態に限りなく近づきながら、相手と触れ合うようになる。

各々から湧き出るエネルギーの相乗効果の中、

(外国という)「異質な」場で、時間を共有しながら。

 

これは翻って考えてみれば、なかなか普段の日常生活ではまずありえない状態で、

そこでは本当にいろんなことが起きる。

感性も鋭くなれば、思考も活性化され、はたまた運命の出会いも起き、

それは旅の内容や行き先がチベットなど濃い場所であればあるほど深まっていく。

いわば祭的な時空間を、これまで縁のなかった人々とともに深め、過ごしていくのである。

 

ところでチベット語で「祭」は「ドゥチェン」というが、それは興味深いことに

「大きな時」という意味である。

旅というものに必然的に伴う「大きな時」の流れ、ドリームタイムのような時間に関しては、

11月発行予定の『風通信』<旅の人類学>と題して短いエッセーを書いたので

詳しくはそちらを見ていただきたい。

 

話は戻って、ここで強調したいことは、

「グループ」ツアーに参加とはいっても、気を張る必要などまったくなく、

気軽に参加して欲しいということである。特にチベットでは、個人旅行は

原則として禁止されているので、上で見たようなグループツアーの独特な

化学反応などにも心も体も委ねながら安心して参加してほしいのである。

 

別の世界に住む人々と密に時を過ごすことは、それだけで貴重であるし、

旅の楽しみやハプニングを共有することで、お互い親近感がわくようになる。

(もちろん時折、拒絶反応もあるであろうが)

 

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(今夏の達人ツアーにて。我々の鼻の頭に注目!セラ寺の馬頭観音からご加護を頂くため、

バターランプの煤を塗ってもらう。普通は子供だけにするおまじないであるのだが・・。)

 

僕が数年前ご案内したグループの中には、― もちろん極端な(素晴らしい)例であるが ―

結婚までいったケースもあった。

 

* * *

 

正直なところを言うと、僕はこれまでの人生で一度もグループツアーというものには

参加したことがない(笑)。それでも風のチベットのツアーをこれまでそばで見てきていて、

こういう風通しがいいと同時にディープな内容なら、ぜひ参加してみたいなどと

「グループツアー」というものを考え直す。

 

これまで風の達人ツアーなどで親しくなったお客さんの中には、

今では公私ともお付き合いするような友達・先輩になったような方が少なくない。

研究者の方もいれば、チベット好きの方もいるし、ただ単に気が合うからという方もいる。

 

今月再び一時帰国する。

風を通して知り合った、多くの昔のお客さんたちとも再会するときである。

今から楽しみだ。

 

その前に熱を治さねば・・!

と書きかけたところで、さっきよりも調子がいいのに気づく。

やはり、気晴らしでなにかをすることは、理屈なしに「いいこと」なのであろう。

 

旅もまたしかり、である。

 

Daisuke Murakami

 

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(今夏のショトン祭、デプン寺のタンカ開帳)

 

9月7日

(ラサの)天気: くもり時々晴れ、時折夕立あり。

(ラサの)気温: 10~24度 

(ラサでの)服装: 昼間はシャツ、Tシャツ、フリースなど。太陽が出ると、かなり暑いです。夜はフリースなど。日焼け対策は必須。空気は非常に乾燥しています。雨具は持ってきたほうがよいでしょう。ゴアテックスの雨合羽は非常に便利です。