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~ 人類学者の徒然なる詩考と猛想 ~

バルコル、グルメ巡り [LHASA・TIBET]

駐在日記

今日は、ラサ在住の日本人<羊飼い>さんからの特別寄稿です。

 

 

 

 

ラサの中心街・バルコルにの周辺には数多くの茶館があり、チベット人の憩いの場になっています。

そこは、まるで<チベット民族の結界>といった雰囲気になっており、

日本人でなおかつ女性が一人で行くのは、少しばかり勇気がいることです。

そこをおして、持ち前の好奇心から、バルコル周辺の茶館へ探検にいった<羊飼い>さん。

今日は、彼女のグルメ探検の一部を、「トゥクパ」を中心にご紹介します。

 

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チベット麺、トゥクパ)

 

会う度に大輔兄さんから、「どこのトゥクパがおいしい?」といつも聞かれ、

思いきってバルコル内のトゥクパ調査を始めました。

バルコル内には沢山の茶館があります。

さて、いざ意識して数えてみると50店舗以上!

なぜこんな狭い範囲にこれほどの茶館があるのでしょう!?(苦笑)

全店舗制覇してやろう!と燃えた決意が揺らぎます。

今日まで30店舗程食べ歩きましたが、未だ制覇には程遠いように感じます(笑)。

 

「トゥクパ」とは「麺類」の総称です。

今回の調査は「チベット(プー)」と名のつく「プートゥク」のご報告です。

 

一般的にプートゥクは「チベットうどん」と訳されています。

私は久しく日本の麺類を口にしていませんが、

「うどん」よりも「ちゃんぽん」の麺に似ているのではと密かに思っています。

たかが麺、されど麺。太さ、コシの強さ、そして茹で揚げ方による伸び具合により味わいが全く違います。

私のオススメは、少々ガッシリとした太めでコシの強さを誇示する、

トゥクパ界のカンパ(東チベット男)のようなたくましいもの。

「細めでやさしい」食感のラサ人のようなトゥクパに出会うことは希少ですが、

食べ慣れてくるとちょっと物足りなさを感じることがあるので要注意です。

 

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(麺の太いトゥクパ。ルグ茶館にて。)

 

大抵のお店では、器は均一。時にお椀の大小を聞かれます。

器は両手サイズ、小さめの牛丼用どんぶり位の大きさでしょうか。

近年チベット自治区内の経済状況が良くなってきているため、

どの食べ物も昔に比べて、値段が変わらずとも料理自体の量が少なくなっているようです。

1杯が花丸うどんのSサイズに近いでしょうか。一般的に1食分にトゥクパ2杯が基本です。

 

ズズット啜ればすぐに1杯食べ終わってしまう量ですが、

麺をよく噛んで味わいつつ食べる私は1杯でお腹いっぱい。

特にカンパ系の麺に出会った時は、麺をよく味わってみてください。

チベット語では「トゥクパを飲む」と言うため、私の食べ方は邪道でしょう!(笑)

 

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(茶館の内奥は中庭になっていることが多い)

 

料理は材料の良し悪し以上に、作り手次第で味が大きく違うかと思います。

それはこのプートゥクも同じ。スープの味が店によって驚くほど、全く違います。

その差は塩ラーメンと豚骨ラーメン並みです(笑)。

 

友人・知人、茶館で出会ったお客さん達に聞きまわったところ、

ラサ人に評判が良いものは、油分の少ないさっぱり目のスープ。

「ルータン」と呼ばれるヤクの骨から出汁をとったスープで本当に美味しいものは、

何度も口に運びたくなります。

たとえ麺が好みのタイプでなくても、スープがおいしいと茹ですぎの麺さえも許せてしまいます(笑)。

 

ここで注意したいのは、トゥクパのつけ合わせのチリ(赤唐辛子)です。

店によっては、セルフ・サービスの店と店の人に聞かれてチリをいれてもらうところがあります。

始めからチリが入っていても、お箸でかき混ぜる前に、まずはスープを味わうべし、でしょう!

チリが混ざったスープは、90%の確率でスープ本来の味がチリの良し悪しで大きく変わります。

 

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(ラサ女性に超人気の赤唐辛子のかかった「涼粉」と「ポテト」)

 

トゥクパの味をも左右するチリは、

チベット人(特に女性)が大好きな間食の涼粉、広粉、酸粉、そしてポテトの味をも左右します。

以前、大輔兄さんが紹介していたチベット人のチリ好き。

特にチベット人女性は、「チリがなければ、味がない。チリがなければ、食事がおいしくない」

と胸を張って主張しています。

店の人にチリをいるか、いれないか聞かれた場合は「少し!」(テーツィ!)と伝えないと、

時に激辛!で大変な思いをすることがあるので、要注意です!!

 

下は、比較的入りやすい、バルコル周辺にあるオススメのお店です。

 

★ルグ茶館(チュシュウ行きバス停前)

麺…太さ4、コシ3

スープ…だし4、油っこさ3、チリ(辛さ)3 

※チケット制。手前の部屋でチケットを買い、奥に進み小さな窓口でチケットを渡す。お茶を買った場合は自分でコップを棚から取る。

※チリはセルフ。チリを入れてからも、スープをおいしく味わえる。

※大きな部屋が2つ。中は広く、1人でも入りやすく、大勢で集まっても過ごしやすい。

※バス停の前だからか、家族連れが多い。

 

★アムド食堂

麺…太さ3、コシ3

スープ…だし3、油っこさ2、チリ(辛さ)3

※立地は道の角、外観は白く、見つけやすい。

※スープはあっさり目、油っこいものに疲れた時にありがたい。チリは入れない方が美味しい。

※中央の部屋に、仏像デザインのお酒のボトルが飾ってある。

※シャ・モモは1元/個と少しお値段高め、味は普通。

 

★モスク近くの看板のない茶館

麺…太さ3、コシ3

スープ…だし3、油っこさ3、チリ(辛さ)4

※チケット制。チリのあり/なしをチケット購入時に伝える。

※入口はビニール製のれん。個室あり、中央は中庭風になっており、過ごしやすい。チべ人おじい、おばあ達の社交場。

 

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(看板の無い、暗い入り口の茶館)

 

この調査を始めた当初は、チベット人茶館に入ることにとても勇気がいりました。

チベット人経営の店の入口はドア代わりのカーテンがかけてあるため、

店内、店主、どんな雰囲気なのか全くわからずドキドキです。

年配者または常連でない限りは、知らない店に1人で入るチベット人は稀です。

そのため、店内にいる間は熱い眼差しを受け、あぁ恥ずかしい…、となるのです。

しかし、羞恥心を脇においてお店の人、他のお客さんと話せば、

フレンドリーでお茶目なチベット人ですから、

ちょっとの休憩が長いお茶の時間になることでしょう。

 

<羊飼い>

 

* * *

 

ラサに来られるみなさん、ホテルの料理の味に飽きたら、

ぜひガイドに頼んで地元のチベタン茶館に連れて行ってもらってはいかがでしょうか。

トゥクパはもちろんですが、<チベット人のいつもの日常>に出遭えることだと思います。

 

Daisuke Murakami

 

~お知らせ~

数日後よりラサを離れ、ブータンへ行きます。

今度ラサに戻るのは7月末を予定しています。

駐在日記はそれまでお休みします。

 

6月19日

(ラサの)天気: くもり時々晴れ、時折雨もあり。

(ラサの)気温: 6~21度 

(ラサでの)服装: 昼間はシャツ、フリースなど。太陽が出ると、かなり暑いです。夜はフリース、ジャンパーなど。 日焼け対策は必須。 空気は非常に乾燥しています。雨季に入りかけています。雨具は持ってきたほうがよいでしょう。また、風も強く吹くことも多いので、マスクなども役立ちます。