生命の誕生[LHASA・TIBET]
う~まれ~た~、う~まれ~た~
な~にがうまれた~ ♪
(One Day Old)
一週間前の午前4時ごろ、
突然、「ほんとうに」突然、生まれた。
飼い猫のシロに子供が生まれた。一匹。
全身白色、そして柔らかい黒色の辮髪模様が二筋。
一物らしきものがあるので、男であろう。
*
まったく予期しなかった出来事。
晴天の霹靂。
実は、同じ夜の12時ごろまで、つまりは出産の数時間前まで、
僕はシロが妊娠していることを、「知らなかった」のだ。
最近ちょっと太ったなぁ、贅沢な日本の猫餌のせいだろうな。
動きが最近鈍いな、太ったせいだな。
何もないのに急に鳴き出すなんて、変だな、幽霊でも部屋に入ってきたんかいな。
あれ~、最近おっぱいが目立ってきたような・・ でも気のせいだな。
すべて、すべて、シロが子を宿していることの徴(しるし)であった。
それらをことごとく、ミスってきたのである。
一匹だけだったので、お腹がそれほど大きくなかったのも事実であるが、
なんとも観察力、というか判断力の鈍い。
それで一週間前、うとうとして、夢を見ている間、
(その夢というのは、シロに3匹の子供が生まれ、デジカメで写真を撮り、
友達に送る、というもの・・)
その夢の最中であろうか、「ピーーッ」と、か細い声が耳に響いた瞬間に目が覚め、
毛布に包んだシロに近づくと、産まれていたのだった。
ネズミのような白色物体が、うにょうにょ体をうねらせ、シロがぺろぺろ舐めている。
う、うまれた、のか・・・!?
実は僕はずっと、シロはなんらかの身体的な理由で、子供ができないものと
ばかり思いこんでいた。今まで4年間、さんざん隣民家のオス猫たちと
デートを繰りかえしているのを目撃していたが、なにもなかったからである。
それが、ポーンと、「なんの前触れもなく」、出てきたのである。
暗い静寂の中で「ちびシロ」の鳴き声だけが響いていたあの一週間前の午前4時は、
まるでシュールレアリズムの世界の中に投げ込まれたかのようだった。
世界の中で生命が誕生したのである。
ところでチベットでは、犬に比べると猫はまだまだその地位が低い。
猫が夜、「ワォワォ」求愛行動で鳴くと、その近辺では不吉なことが起こると
思っているチベット人も少なくなく、特に黒猫はあまり歓迎されない。
次のような話もきいたことがある。
人が亡くなって閻魔様のところに行くと、
今世自分が飼っていた犬は、どれだけ飼い主にお世話になったかを閻魔様に語り、
飼い主を助けてくれるようなのだが、猫の場合どうやら知らんぷりで、
飼い主の魂(意識)の行方には、とんと関心を示してくれないという。
*
そのあたりの事実関係はよく分からないが、
まぁとにかく、僕の部屋で生まれたからには、面倒を見ないわけにはいかない。
Welcome to the Worldである。
この世に生まれたからには、この部屋でしばらく生きていくには、
名前をつけなければならない。
シロの母のシミ・カルボが死んだソファのすぐ横で生まれたそのちびには、
祖母の名をそのまま与えよう。
命名、カルボ。
ちなみに<カルボ>はチベット語で「白い」の意味である。
今夏ラサに風のチベット・ツアーで来られるみなさん、
シロとカルボへ、日本の猫餌のプレゼントは大歓迎です!(特に「モンプチ」;笑)
そのころにはカルボはちょうど「猫生」で最も可愛くなっていることでしょう。
謁見ご希望の方は、風の担当スタッフにご予約お願いします、笑。
(産む数週間前ぐらいから、確かに、ストレッチ運動のような変なポーズをとることが多かったシロ)
6月5日
(ラサの)天気: くもり時々晴れ、時折雨もあり。
(ラサの)気温: 13~26度
(ラサでの)服装: 昼間はシャツ、フリースなど。太陽が出ると、かなり暑いです。夜はフリース、ジャンパーなど。 日焼け対策は必須。 空気は非常に乾燥しています。雨季に入りかけています。雨具は持ってきたほうがよいでしょう。また、風も強く吹くことも多いので、マスクなども役立ちます。