~ 人類学者の徒然なる詩考と猛想 ~

生命の誕生[LHASA・TIBET]

う~まれ~た~、う~まれ~た~

な~にがうまれた~ ♪

 

 

 

 

one-day-old

(One Day Old)

 

一週間前の午前4時ごろ、

突然、「ほんとうに」突然、生まれた。

飼い猫のシロに子供が生まれた。一匹。

全身白色、そして柔らかい黒色の辮髪模様が二筋。

一物らしきものがあるので、男であろう。

 

 

まったく予期しなかった出来事。

晴天の霹靂。

実は、同じ夜の12時ごろまで、つまりは出産の数時間前まで、

僕はシロが妊娠していることを、「知らなかった」のだ。

 

最近ちょっと太ったなぁ、贅沢な日本の猫餌のせいだろうな。

動きが最近鈍いな、太ったせいだな。

何もないのに急に鳴き出すなんて、変だな、幽霊でも部屋に入ってきたんかいな。

あれ~、最近おっぱいが目立ってきたような・・ でも気のせいだな。

 

すべて、すべて、シロが子を宿していることの徴(しるし)であった。

それらをことごとく、ミスってきたのである。

一匹だけだったので、お腹がそれほど大きくなかったのも事実であるが、

なんとも観察力、というか判断力の鈍い。

 

それで一週間前、うとうとして、夢を見ている間、

(その夢というのは、シロに3匹の子供が生まれ、デジカメで写真を撮り、

友達に送る、というもの・・)

その夢の最中であろうか、「ピーーッ」と、か細い声が耳に響いた瞬間に目が覚め、

毛布に包んだシロに近づくと、産まれていたのだった。

 

ネズミのような白色物体が、うにょうにょ体をうねらせ、シロがぺろぺろ舐めている。

 

う、うまれた、のか・・・!?

 

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実は僕はずっと、シロはなんらかの身体的な理由で、子供ができないものと

ばかり思いこんでいた。今まで4年間、さんざん隣民家のオス猫たちと

デートを繰りかえしているのを目撃していたが、なにもなかったからである。

 

それが、ポーンと、「なんの前触れもなく」、出てきたのである。

 

暗い静寂の中で「ちびシロ」の鳴き声だけが響いていたあの一週間前の午前4時は、

まるでシュールレアリズムの世界の中に投げ込まれたかのようだった。

 

世界の中で生命が誕生したのである。

 

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ところでチベットでは、犬に比べると猫はまだまだその地位が低い。

猫が夜、「ワォワォ」求愛行動で鳴くと、その近辺では不吉なことが起こると

思っているチベット人も少なくなく、特に黒猫はあまり歓迎されない。

 

次のような話もきいたことがある。

人が亡くなって閻魔様のところに行くと、

今世自分が飼っていた犬は、どれだけ飼い主にお世話になったかを閻魔様に語り、

飼い主を助けてくれるようなのだが、猫の場合どうやら知らんぷりで、

飼い主の魂(意識)の行方には、とんと関心を示してくれないという。

 

 

そのあたりの事実関係はよく分からないが、

まぁとにかく、僕の部屋で生まれたからには、面倒を見ないわけにはいかない。

Welcome to the Worldである。

 

この世に生まれたからには、この部屋でしばらく生きていくには、

名前をつけなければならない。

シロの母のシミ・カルボが死んだソファのすぐ横で生まれたそのちびには、

祖母の名をそのまま与えよう。

 

命名、カルボ。

 

ちなみに<カルボ>はチベット語で「白い」の意味である。

 

今夏ラサに風のチベット・ツアーで来られるみなさん、

シロとカルボへ、日本の猫餌のプレゼントは大歓迎です!(特に「モンプチ」;笑)

そのころにはカルボはちょうど「猫生」で最も可愛くなっていることでしょう。

謁見ご希望の方は、風の担当スタッフにご予約お願いします、笑。

 

Daisuke Murakami

 

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(産む数週間前ぐらいから、確かに、ストレッチ運動のような変なポーズをとることが多かったシロ)

 

6月5日

(ラサの)天気: くもり時々晴れ、時折雨もあり。

(ラサの)気温: 13~26度 

(ラサでの)服装: 昼間はシャツ、フリースなど。太陽が出ると、かなり暑いです。夜はフリース、ジャンパーなど。 日焼け対策は必須。 空気は非常に乾燥しています。雨季に入りかけています。雨具は持ってきたほうがよいでしょう。また、風も強く吹くことも多いので、マスクなども役立ちます。